香乱記(一) 宮城谷昌光

香乱記〈1〉 (新潮文庫)香乱記〈1〉 (新潮文庫)
(2006/03)
宮城谷 昌光

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<あらすじ>
中国、秦の始皇帝の時代、旧斉王の末裔である田氏三兄弟は、野盗から一人の貴人を助ける。その貴人は天下第一の人相見である許負であった。許負は兄弟三人はいずれも王になると予言する。そして兄弟の末弟田横に、七星を捜せば事は成就すると許負は告げるのであった。


中国古代史を舞台とした歴史小説の著者で知られる宮城谷昌光さんの秦から楚漢時代の変動期を描く歴史小説です。宮城谷さんといえば殷周春秋戦国時代の中国古代史ですが、今回は新境地かまたはネタがなくなったのか秦の始皇帝や項羽と劉邦で知られる時代が舞台です。その時代を田氏三兄弟の目を通して描きます。兄弟の末っ子田横が主人公です。

相変わらず宮城谷作品はオープニングが魅力的!王になれると予言された田儋、田栄、田横たち。彼はその予言を笑って聞き流す。その理由は秦は、始皇帝の息子でさえ王にさえなれぬ、一人も王が存在しない国だから。秦はただ一人始皇帝という支配者がいるのみである。兄弟が王になることを予告された読者たちに、宮城谷さんは彼らの道のりがいかに困難で過酷であることをも予告しています。

一巻の前半は、陰謀によって破滅に追いやられた田氏を救うため田横が奔走します。そのとき、多くの人が田氏兄弟を助けてくれます。その仲間たち華無傷、田光、季桐などみな魅力的です。

後半は、秦の宮廷の陰謀にページが費やされます。
労役として阿房宮の造営に従事することになった田横は、またしても不思議な貴人に出会います。今度は逆に助けられるんですが。なんとその人は秦の皇太子扶蘇の隠し子つまり始皇帝の孫であった。貴人の名は「蘭」、周りから「蘭さま」と呼ばれるので以後こちらでも「蘭さま」と書いていきます。なんと蘭さま男装麗人であるという設定です!なんという萌設定!いや確かに時代小説での男装キャラは定番ではあるけども。今回はとにかくエンターテイメント重視なんですなあ。

蘭さまを助けて田横は、秦の宰相李斯の助けを借りて扶蘇のもとへ向かいます。その功績と蘭さまの信頼を得た田横は扶蘇と蘭さまに仕えることに。やがで田横は秦の宮廷の陰謀に巻き込まれていく。
陰謀というのは有名な始皇帝死後の後継者騒動のことです。
蘭さまという架空の登場人物は本来なら時代のわき役である田横に、この時代のメインストーリーに関わらせるため、宮城谷さんが創造したのでしょう。やっぱり主人公が蚊帳の外ってのはつまらないしね。男装麗人っという設定は話を面白くするため男装美少女好きの読者を喜ばせるためwだけでなく、後に別な意味を持つようになります。

一巻は秦の始皇帝の治世の時代で、後に起こる大乱の芽や伏線がちらほら見受けられます。また、後の田氏兄弟の飛躍のための仲間集めの巻でもあります。許負が予言した七星らしき人物がたくさん登場して兄弟の仲間となっていくのはわくわくします。一巻は田横、田氏兄弟の雌伏の物語です。
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テーマ : 歴史小説
ジャンル : 小説・文学

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