香乱記(二) 宮城谷昌光

香乱記〈2〉 (新潮文庫)香乱記〈2〉 (新潮文庫)
(2006/03)
宮城谷 昌光

商品詳細を見る



<あらすじ>
始皇帝没す。宦官・趙高の策略により公子扶蘇は自害をする。それにより末子胡亥が皇帝に即位した。胡亥・趙高により秦は苛政をきわめた。秦の苛烈な法によって窮地にたたされた陳勝と呉広の二人は、どうせ死ぬならと蜂起する。圧政に苦しめられていた民衆たちが加わり、反乱軍は瞬く間に巨大化し、ついに戦乱の火ぶたは切られた。


宰相李斯の食客・藺林とともに田横は扶蘇を次の皇帝とするべく奔走しますが、失敗。やがて始皇帝は死去し、権力をほしいままにしたい宦官・趙高の策謀により扶蘇は自害させられ、年少の胡亥が皇帝に即位します。
趙高の脅迫に屈し胡亥を皇帝にすることに同意した李斯でしたが、胡亥と趙高を取除こうと暗躍を始めます。
この作品の李斯は、秦のため忠勤に励む臣として書かれていますが、自分の権力や命を捨ててまで秦を守ろうとするほどの勇気はない、どこか中途半端な人間に書かれています。宮城谷さんの史実の李斯に対する評価なのかもしれません。

李斯がとった手段は皇帝胡亥の暗殺。だが、皇帝の周りは厳重に守られていて、近づくことが出来ない。
が、その皇帝の守備にも抜け穴がある。後宮なら皇帝に近づくことができる。そこで蘭さまの男装麗人設定が役立ちます。父の仇を討つため蘭さまは女として宮中に入ります。田横たちは蘭さまが実は女であることを知らないため、女装していると思っているようですが(ちょっと無理ないかな)

蘭さまを援護するため田横たちは李斯の邸で待機することになりますが、やがて趙高の兵に邸を攻撃され、なんとか李斯の部下である展成の機転で邸を脱出。脱出した後、陳勝が蜂起し、各地で反乱が勃発していることを知った田横は、斉で兄たちとともに戦うことを決意します。

それまで小規模な戦いは経験してきたけど、ちゃんとした戦はこれが初めて。やっとこさ田横の初陣ですよ!宮城谷さんが書く戦闘シーンはやっぱ疾走感あるなあ。今まで苦労してきた兄弟と仲間たちによって念願の斉復興が成し遂げられ、それぞれが将軍や宰相の要職に就いているのを見るのはなかなか感慨深いです。

時間は遡って、陳勝・呉広の乱によりたくさんの群雄が現れます。その中には項梁・劉邦もいます。
ついに事態を重く見た秦政府は反乱を鎮めるため大規模な討伐軍が出陣します。その将軍は秦最後の名将として名高き章邯。章邯と張楚(陳勝の国)側の将軍周文との勝負は、尺は短いがなかなかの名勝負です。周文は敗れましたが、個人的に隠れた名将だと思ってます。函谷関を破り、秦を後一歩というとこまで追い詰め、章邯の猛攻に二カ月以上耐えたその実力はもっと評価されてもいいと思う。

周文を大破した章邯は、その勢いのまま張楚に進撃し、陳勝を破り、張楚を滅ぼす。さあ、反乱軍側は風前の灯火、どうなるか!というとこで三巻に続きます。
スポンサーサイト

テーマ : 歴史小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

劣化

Author:劣化
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR